「秋山和慶さんと行くデンマーク音楽紀行」 旅を終えて・・ 秋山和慶さんとご参加の方々よりご感想を寄せていただきました

「デンマーク音楽紀行」  秋山和慶さん

 

風薫る5月のデンマーク・・ このたびの旅は総勢14名という旅先で行動するには程よい人数で、しかもいつもお世話になっている広島の方々とご一緒でき、私にとって願ってもない贅沢な旅となりました。

これまで私は世界30数か国でオーケストラを指揮してきましたが、ほとんどがコンサートホールとホテルの往き来のみで、観光はほぼゼロに近いというものばかり。朝10時から夕方5時位までリバーサルをし、終わった頃には美術館や博物館は大抵クローズとなってしまうのです。デンマークも今回で4度目でしたが、ストロイエをぶらっと歩くぐらいで、日本・デンマーク外交関係樹立150周年の親善大使を仰せつかっているものの、実は「旅行者」としてデンマークを楽しんだのは今回が初めての経験でした。

デンマークのデザインがいかに日本の古い文化の影響を受けてきたかを表現したデザインミュージアム。オーデンセではアンデルセンゆかりの場所や博物館、私が日本での初演を指揮した大好な作曲家、カール・ニールセンの子供時代の家も訪れました。

 

<写真:カール・ニールセン子供時代の家>

 

ハムレットの舞台となったクロンボー城や海辺の美しいルイジアナ美術館。システアナ美術館では、三分一博志さんの不思議な美術展の見学。毎日、趣の違う素敵なレストランでの食事の体験も含めて、改めてこの国の素晴らしさを再発見した思いです。

そして本題のオペラハウスでの「マクベス」と新しいDRコンサートホールでのマーラー交響曲第6番」の鑑賞。特に本番前に音響設計を手掛けられた豊田泰久氏の説明と案内でDRホール内をくまなく見学できたのと、オーケストラの圧倒的なサウンドは、私にとってこの旅のハイライトであり、この国の音楽文化の懐の深さを感じた瞬間でもありました。

 

<写真:DRコンサートホール>

 

目に染みる新緑の瑞々しさ、見渡す限り一面の菜の花畑。古き良き時代の面影を残す町や村の建物や教会堂・・ あっという間に夢のような1週間が過ぎて、帰りの飛行機が動き出したとき「あゝもう帰るのか!もう少しデンマークを旅したかったなあ。」という思いに駆られました。それほどデンマークは私の心に深い印象を刻み込んだのです。

 

<写真:一面に広がる菜の花畑>

 

今回ご一緒した広島の皆様方、そして日本とデンマークの外交関係150周年の特別企画としてこの素晴らしい旅行を企画・実施して下さった日本デンマーク協会様に心からの感謝とお礼を申し上げます。

ありがとうございました。

 

<写真:フレデリクスベア公園にて>

 

 

 

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「デンマーク音楽紀行」  MOさん

 

世界的指揮者の秋山和慶さんと巡るデンマーク音楽紀行、という旅行があると聞き、その場で参加を即決しました。クラシック音楽ファンの私にとって、願ってもないような素敵な内容だったからです。

5月半ば、少女のように胸を膨らませて、スカンジナビア航空機にてコペンハーゲンに降り立ってからの7日間は、息つく間も無いくらいの驚きと感動の連続でした。

まずはオペラハウスで鑑賞した「マクベス」。世界のトップレベルの歌手達の熱演、そしてゲ現代的にアレンジされた斬新な舞台装置や演出に圧倒されました。

DR(デンマーク国立放送局)コンサートホールでは、音響設計を手がけられた豊田泰久さんが、私達のためにわざわざパリから来て下さり、ホールへの思いをうかがった後で聴いたマーラーの交響曲第6番の素晴らしかったこと。オーケストラとコンサートホールが一体となって新たな伝統を創り上げていく、という豊田さんのお話しが見事に具現化されいることを感じ、こんな素敵なホールを広島にも、との思いが一層強くなりました。。

「Learning from Japan-日本から学ぶ」という150周年の特別展を開催中のデインミュージアム。アンデルセングループが寄贈された150本の桜の木が満開の花をつけて迎えてくれたガウノー城。2020年には隈研吾氏デザインの新しい建物へと生まれ変わるアンデルセン博物館。さまざまなところで日本とデンマークのご縁を感じた旅でもありました。

<写真:ガウノー城の桜並木>

<写真:ガウノー城のゲストラウンジにて 中央がオットー・トット―男爵>

 

日本大使公邸を表敬訪問したとき、ベランダからお庭に出ると手入れのいきとどいた芝生の緑が続いています。若葉の木々が風にそよいでいます。小鳥のさえずりが聞こえます。その先には広い池が広がり白鳥が泳いでいました。白いテーブルでお茶をいただきながら、日本とデンマークの150年の友愛の歴史と深い絆があるからこその今日の幸せを噛み締め、明日へとバトンを継いでいくことを心に誓いました。

<写真:鈴木敏郎日本大使と秋山さん 大使公邸にて>

 

 

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「お手本は、いつもデンマーク」  ATさん

 

1.デンマークは、本物を大切にしなければ組織の成長はないのだと、質を落とさず更に向上させるためのルールを実践している。
2.デンマークは、個性的な文化(音楽も食も・・・)が伝承されなければ、国の繁栄はあり得ないことを知っている。
3.デンマークは、世界に通用する一流の商いをすることを願い、ぶれない覚悟を持っている。
4.デンマークのもてなしの心の根底にあるのは、「ヒュッゲ」である。マニュアルによるものではなく、だから温もりが感じられる。
5.デンマークには、「恩義に対する借を返す」という日本人が忘れかけた真心がある。

長らく商売をしてきた中で、なぜデンマークをお手本としたいと思ったのか。私が追い続けてきたこうありたいという姿が、あらゆるところで具現化されていることに喜びを見出した旅でした。

今回の旅ではデンマークを音楽文化の側面から見たわけですが、この分野においても目先の対応ではなく、未来の豊かさのために、幼児教育からスタートし、自分で考え、体験して学ぶ、そして質のいいものを選ぶ目を育てることを重点項目としています。待つことから始めたデンマークと、物事を長い目でとらえることができず、待てない日本との違いを考えさせられることにもなりました。

<写真:デンマークデザインの粋を集めたデザインミュージアム>

<写真:私の人生は一編の美しい物語だった・・・HCアンデルセン>

 

また、今回ご一緒させていただいた秋山和慶先生のお考えやお人柄が、デンマークを語るときのキーワードと見事に重なっていることに感動すら覚えています。本物はぶれない、本物は未来に夢を持つ、そして本物は時間をかけることを厭わない。だから、本物になるのだと。

国際平和文化都市広島にオーケストラ専用のシンフォニーホールをつくりたい、という今回のメンバー全員の共通の思いが、時間はかかっても実現する日が来ることを希っています。

 

<写真:デンマーク人憧れのオーベルジュ ファルスレッドクロにて>

 

 

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「旅、出会い、そして…」  STさん

 

リラやマロニエが一斉に花を開き、新緑が輝いていたデンマークでの7日間。心に刻まれた思い出の一つに、日本との交流の深さを知った感動があります。

デザイン博物館で開かれていた日本の伝統文化の影響を示す企画展。浮世絵や刀のつばなどの流入が、この国をやがてデザイン大国にしたと知ったのは新鮮な驚きでした。

バスの車窓の外には牧草地が延々と広がり、日本の酪農がこの国を手本にしたと聞いた記憶が蘇ってきました。

<写真:フュン島に広がる牧草地>

フェアウエル・ディナーで次々に出された料理には季節の緑が添えられ、まさに日本の会席料理風。シェフが日本で修行したと聞いて納得しました。「だし」や「みそ」などの言葉は、既にこの国でも通用するとも聞きました。

<写真:和の隠し味の効いた季節感あふれるお料理>

 

デンマーク放送ホールは福山市出身の世界的な音響設計家、豊田泰久さんが音響を担当されました。その味わい深い響き―。そして、今回の紀行の親善大使、秋山和慶先生はこの国を代表する作曲家ニールセンを積極的に日本に紹介され、ファンを拡大されたのでした。

<写真:豊田泰久さん DRコンサートホールにて>

 

いうまでもなくこの国が誇る偉大な作家アンデルセンは、日本でも多くの作品が翻訳出版され、日本の児童文学に計り知れない影響を与えました。そのことは十分承知しているつもりでしたが、オーデンセのアンデルセン博物館に所蔵されていた彼の日本語の本の数は想像以上。圧巻でした。

日本のデザインに触れたことがきっかけで、生活の隅々にまで美しいデザインを追求してきたように、この国には生活文化の全ての面で、常に一歩先を進もうとする志の高さが感じられました。今回の旅で私の心の奥深くにも、この志が刻印されたような気がしてなりません。

旅を終え、私は改めて確信しました。人と人との出会い、国と国との出会いは新しいものを生み出し、豊かさをもたらすのだと。

 

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